(2023年7月2日更新)
2023年6月24日に開催された
素材販売で有名なPIXTAさんのセミナー
「PIXTAイラストセミナー 2023ストックイラストの現在地」にオンラインで参加させていただきました。
ストックイラストで有名なクリエイターのマツさんとヨーグルさんがお話をされて大変有意義なものになりました。
マツさんとヨーグ ルさんはタッチは(キャラも^^)違いますが
ストックイラストで長く売れ続けておられるお二人です。
私はPIXTA素材を閲覧すると、これはマツさんかな、これはヨーグルさんかなと思うことがあります。
ストックイラストをやっている人はご存知かと思いますが、
ストックイラストは気軽に始められるのが良いところですが継続が難しく、ほとんどの人が売れる前にやめてしまいます。
特に最近では参入者が増えて5年前の5倍になっているとか。。。
更に難しくなっています。
それだけに売れ続けておられるお二人のお話にはたくさんの気付きや学びがありました。
お二人の言葉で印象に残ったことをピックアップし、私なりに感じたことをまとめてみました。
スキルアップのためにしていること
マツさん
マツさんは人物中心にトレンドをおさえた綺麗なイラストを描かれていて、タッチもどんどん進化されていてます。
【印象に残った言葉】
○ 知らないキーワードを3回聞いたら調べて描く
(日頃からのインプットを大変大切にしておられることがわかります。
売れても努力や研究を絶やさないその姿勢が素晴らしいと思いました)
○ 気に入ったものは写真に撮る
(こちらも日常での気付きを大切にインプットしておられます、だからイラストの鮮度が保てるのだと思います)
○ 街で見かけた人物を描いてみる
(スケボーのUber Eats配達員、パソコンのおじいさん)
(頭で考えているだけではでてこない人物のパターンが発見できて、イラストの幅が広がると思いました)
○ その年のトレンドカラーを参考に
(私などは、ついつい自分のいつもの思い込みで色をつけてしまっていますが、こういった研究は大切だと思いました)
闇雲に数多く描くのではなく、
その時々で考えながらどんどん進化されているのが素晴らしいと思いました。
(マツさんの最近のイラストはもちろん現代的で素敵ですし、私はデザイナーしておりますが、仕事でマツさんの以前のタッチのようなイラストもけっこう使います。
どちらも適材適所で需要がありタッチの幅の広さを感じます)
ヨーグルさん
ヨーグルさんは手描きを活かしつつデジタルの良さも取り入れた、味のある素材系のイラストを多く描かれています。
【印象に残った言葉】
○ 月100点以上登録/横展開の色替は5色ぐらい)
(御本人は多くしすぎないと言っておられたのですが、その数は私には十分多い数でした。根本的な心構えが違うのだと思いました)
○ 同じテーマを変化させて描く
(一度買った人は、全く同じものは必要ないですが、その関連の仕事をしている人なら同じテーマでまた探すかもです)
(もう描いたからいいやではなく、違った角度で描くのも確かに良い方法だと思います)
○ とにかくトライアンドエラー
(やってみなければわからないのだから、どんどんやってみる、これは本当に大切だと思います)
○ 好きで得意なことを伸ばす
(ストックイラストに限らず何かに真剣に取り組むなら、好きなことは続きやすいし得意なことは結果も出やすい、全くその通りだと思います)
(ヨーグルさんは驚いたことに、ランキングや他の人の素材はあまり見ていない、季節の先取りもあまり気にしていないとのこと、ストックイラストでよく耳にする売れるための条件みたいなものには囚われていないように感じられました)
(季節のものはその季節に描きたくなるといことがあると思います。その気分で描いた方が確かにクオリティの高いものが描ける気がします)
継続のコツ
マツさん
○ モチベーションいつも100でいる必要はない
○ モチベーションが100のときと70や30のときでのやることを見極める
例えば、30など低い時は簡単なアイコンを描く、70や80など高いときは新しいものにチャレンジなど
(これはぜひとも取り入れたい考え方だと思いました。確かに人間いつでも100でいるのは難しい、ていうかそんな人はめったにいないかも。
でも、その時々のパワーでできることいろいろあります。できることをやれば、それで継続はできますね)
ヨーグルさん
○最初は(好きなことを)死ぬ気でがんばる
(一見大変そうですが、私自身、死ぬ気でとはいかないけど、7〜8年頑張って、でも楽しくストックイラストを続けてくることができました。好きなことだから続いたのだと思います。そして、続けるほどに楽しいことが増えてきた気がします。0⇒1が一番大変なので、そこを乗り越えるまで精一杯頑張ってみることは確かにおすすめです)
○ 1点売れたことに喜びを感じる(売れないから続かない)
(最初から売れる人はめったにいないです。最初のまだ売れない時期の継続は小さな結果が出たら喜びを噛みしめることが大切だと思います)
○ 夢をみすぎない
(以前一般の方が撮影したストックフォトがもの凄いダウンロード数で(何百万円分ぐらい)売れたなどテレビで紹介されているのを見たことがあります。それ位のイメージで一攫千金などを考えると絶対心が折れます)
(ヨーグルさんも言っておられましたが月5000円にたどり着いたら年間6万円です。1年に一度6万円のボーナスがもらえると考えれば嬉しいことだと思います)
その他の印象に残ったお話
【デザイナーに使いやすく】
マツさん
○人物をボーズをつけても四角い箱にきれいにはいるように描く
(私はデザイナーをしているのでわかりますが、変わった形(一部が飛び出したような形)のイラストだと周りの何かに当たったり、逆に変な余白がでたりでバランスをとるのが難しいです。なので、この配慮はとてもありがたいです。)
ヨーグルさん
○ コピースペースに一度(想定される)文字を入れてみる
(そこまで考えてある素材は本当に使いやすくありがたいです。あとの調整の必要がないのでデザイナーの負担が減り時短ができます)
【RGBとCMYKはどちら】
お二人共、RGBとCMYKは実験的にどちらも描いているとのこと。
昔は印刷物に使用することが多かったのでCMYKが主流で、RGBだと使用するときにCMYKに変換すると色が沈む心配が多かったと思いますが、今はWEB媒体に使用することが増えたのでRGBの需要が増えていてそのまま使えるので、どちらが良いとは言えない気がします。
RGBでしか出せない鮮やかなピンクや黄緑を使ったイラストは美しく検索のときにも目を引くので描き手側としてはRGBカラーを生かしたイラストも登録したいところです。
イラストによりどちらも登録しているのは確かに納得できるやり方だと思います。
【迷ったら出してみる】
何が売れるかは誰にもわからない、審査基準の範囲内でなら迷ったら出してみるのは良いやり方だと思います。
ヨーグルさんが言っていましたが買う側は追い詰められていて、そんなに熟考して買っていないことも多いというのは全くその通りで、私もデザイナーだから解りますが、本当に時間がないときもあります。
描く側が、いろいろ考えて気になっているところが、買う側は、全く気にしていない場合もあるし、気にしてる暇もないときもあるので、
こんなので売れるかな〜なんて気にしないで、どんどんアップロードする方が良いと思います。
ストックイラストから他のワークも
お二人共ストックイラストだけではなく多方面で活躍されています。
ストックイラストは他の仕事のきっかけになることもあります。
マツさん
最初はストックイラストで数多く描く
⬇
ストックイラストの売上が安定してからは狙って描く
⬇
PIXTAを通じてのクライアントワークが増え
クライアントワーク中心に
本の表紙や挿絵、オリジナルグッズなど多方面で活躍中
ヨーグルさん
最初はストックイラストにて
その頃には、あまり例がなかった
手描きの味のある背景素材を販売
⬇
手描きの技術を活かし
本当の手描きのように描ける
クオリティの高いブラシを販売中
(ストックイラストをきっかけに好きな仕事の幅を広げていけるのは素晴らしいことだと思います。
ストックイラストへの登録素材が、ポートフォリオの役割を果たしてくれて、24時間営業してくれているのだなと思いました)
PIXTAさんの役に立つお話
○ 売れてるものから入って上手くいくことはあまりない
(確かにそのとおりだと思います。売れてるから思考停止で似たようなものを描いてみようというだけでは、だぶん熱意が続かず継続が難しい。ライバルも多くなる中で自分の特色が出せなくなると思います)
○ 新作は目に付く、新作を出すと、そこから別の作品を見に行ってくれる
(確かに新作はコンスタントに出しっていった方がいいと思います。出さないと明らかにダウンロード数が減ってきます)
(ヨーグルさんが間が空いても大丈夫なのは1ヶ月までだと言っておられましたが、忙しい時でも、素材数が増えてくれば以前に描いたものからのアレンジで新作として出していくことができます。それをきっかけに、昔描いたものも目にしてもらうことができると思います)
まとめ
マツさん、ヨーグルさんのお話を聞いていると、日々努力しながらもイラストを描くことを楽しんでおられるような印象を持ちました。
結局、売れるためには裏技などは無くて、日々頑張りながらもイラストを描く楽しさを忘れないことが大切なのではないかと思いました。
ストックイラストで良かったこととして、お二人共、人との出会いや交流のことを言っておられました。
それは私自身も実感しております。参入者が増えるとライバルも増えますが仲間も増えます。
今ではオンラインのコミュニティやスクールなどもできて交流の場も広がっております。
ストックイラストを通じての人との出会いがストックイラストを本当に楽しくしており、これが一番の継続のコツなのではと思うくらいです。
このセミナーは、とても勉強になり、更にお二人の人柄の良さも感じられて、とても楽しく有意義なものとなりました。
またこのような機会があれば参加させていただきたいと思います。