(2024年7月20日更新)
私はストックイラスを描いて投稿しておりますが、
デザイナーなので、ストックイラスト素材をダウンロードすることもしばしばあります。
素材をダウンロードするに当たって思うこと、
ダウンロードしてみて困ったことなどをまとめてみました。
ストックイラストを描いている多くの人には共感していただけると思うのですが、
残念ながら数多く描いても大半は売れないなんてことも多いです。
使用する側の事情が幾らかでもわかると、
売れやすい素材を描く参考になるのではと思い記事を書かせていただきました。
»参考【ストックイラスト】徹底的デザイナー目線で物申します(こんなイラスト欲しい〜)
»アドビソフトは学ぶと安くなる(Illustrator・photoshopなど)
ストックイラストで日々の困りごと
パーツがグループ化されてないと困る(アレンジ可能は神データ)
私の経験では、イラストのまとまってる所は
グループ化してあると大変ありがたいです。
人物イラストではこんなことが。。。
手や足などのパーツや持ち物は
グループ化されていて切り離せるととてもありがたいです。
アレンジ不要でそのままで使えれば問題ないのですが、そういったことは少ないです。
以前、
パスの多い人物データのポーズを変えたくて、
でも、パーツで分けたり、グループ化したりされてなかったので、
手を強引に切り離して足りない部分を埋めて、
必要な手のポーズをもとのイラストから作って、
合体させて、、、みたいなことをしましたが、
これはかなり手間のかかる作業です。
これが、手だけグループ化されて切り離せるようになっていると、
それだけでとてもありがたいです。
でもその時は、本当にそのイラストが気に入ったので
その作業が発生するのはわかっていたけどダウンロードしました。
逆にいえば、
それでも選ばれる魅力のあるイラストであれば売れる
ということにもなります。
桜の木のイラストではこんなことが。。。
上の人物の時と似ていますが、
綺麗な桜の木のイラストデータのひと枝を角度を変えたい、
ということがありました。
これも、アレンジできる作りではなかったので、
強引に枝を切り離して、不要な所は消して、
またくっつけてなどこれもまた手間がかかりましたが、
会社員デザイナーは納期もありますし、
制作時間を決められてることもあり
時間はかけたくない。
細かい角度などは、デザインに合わせてみて初めてわかるので
動かしやすくなっていると、とてもありがたいです。
人物イラストの数が足りなくて困る(多いほど嬉しい)
商業施設のイベントポスターなどに人物のイラストを散らばせたい場合、イラストが3家族分ぐらい(もしくはもっとたくさん)欲しい時があります。
そして、1つの広告物の中ではタッチは揃えたいです。
しかし、この位の数のセット素材となるとイラストも限られてきます。
好きなイラストなのにセットがない、
セットがあっても数が足りない
なんてこともしばしば。
好きで使いたいイラストのダウンロードを断念して、
タッチは好きじゃないけど、数が揃っているイラストを
やむなくダウンロードする場合もあります。
つまりは
数(種類)が多いとダウンロードされる確率が上がるということになります。
修正できないと困る(ベクターのないものは避ける)
私個人的にはですが、
ベクター形式がないものは基本は避けています。
(背景素材などは別です)
下のような理由からです。
(理由)
⚪︎素材を修正、変更し易いから
⚪︎画質の心配があるから
⚪︎イラレの中で完結できる方が、データがシンプルで扱いやすいから
⚪︎素材を修正、変更し易いから
ベクター形式のパスデータだと、イラレで修正が可能です。
jpegやpngは修正しにくい(イラストにもよりますが)ので
そのまま使うつもりでも、
クライアントからどのような修正がくるかわからないので
ベクター形式の素材を選んでしまいます。
⚪︎画質の心配があるから
画質はある程度確認できるサイトもありますが、
それでも実際にダウンロードしてみないと全面的に安心はできません。
ベクターであれば、そもそもそこは考えなくていいので。
⚪︎イラレの中で完結できる方が、データがシンプルで扱いやすいから
画像データがあると、データをイラレに配置させリンクさせるため、データが複数になります。
データ数が増えると、リンクが切れたり、入稿時にリンクデータを入れ忘れるなど、トラブルに繋がりやすい、
最近はPDF形式での入稿などリンクデータが必要ないやり方も色々ありますが、
デザイン制作時点では入稿時の細かい条件など決まっていないことがほとんどです。
なので、そもそも避けられることは避けたいということからベクターを選ぶことが多いです。
【ベクター形式で困った場合もあります】
背景素材をベクター形式でダウンロードした時のことです。
それが画面上でドラッグしても動かない??
何故だろうと思ったら、ものすごく時間が経ってから動きました。
パスが多くてデータが重すぎたのです。
でも、あまりにも時間がかかるのでこれでは使えない、使用を諦めました。
(ベクターをjpegやpsdなどの画像データに変換して使うことはできます)
但し、ベクター形式が使いやすいのは私がデザイナーだからだと思うので、
ノンデザイナーが企画書などにイラストを使用する場合はpngなどの軽い画像が使いやすいと思います。
表現がわかりにくいと困る(人物はオーバーアクション)
私の経験上、人物イラストで何かを表す時は、特別な理由がない限り
大げさなほど動きや表情がある方が使いやすいです。
何かを表現するためにイラストを載せるのなら、
その方が大きく役割を果たしてくれるからです。
以前、仕事で「お辞儀をしてお詫びをしている人物」のイラストを
ダウンロードしたことがあるのですが、
クライアントからもっと反省している感じが出ているイラストに
して欲しいと言われました。
そのイラストをアレンジして、もっと深々とお辞儀をさせ、
表情も反省感を色濃く出すようにしました。
デザイナーの多くはこうした作業は嫌がります。
できない人もいます。
私は、そこまで嫌ではないですが、時間がかかってしまうのが残念です。
なので、
オーバーアクションだったり、
クオリティ高く描かれていて、
そのままで表現が上手く伝わるイラスト
は大変助かります。
自分自身がイラストを描く場合も
描いてる時は大げさに感じても、掲載すればちょうど良い
は意識するようにしてます。
謎の加工は印刷の場合は不安(使用を避けてしまう)
仕事で印刷物に使用する場合は、ミスやトラブルが怖すぎて、
これは印刷がきれいに出るかな?と疑問を感じるものは避けてしまいます。
ベクターイラストにフィルターなどで加工が施されてる場合、
それがどうやって作ったかわからないものだととても心配になります。
プロのデザイナーとはいえ自分が日々使っている機能以外は
結構知らなかったりします。
違うソフトやアプリで作られていると本当にわかりません。
とはいえ、デザイン上必要なら使用したい、
(そう言った場合は画像化したりします)
ですが、
やはりそのまま使える方がありがたいので、
データの作りとして、単純なものの方が嬉しいです。
レイヤーがある(なし)で困る
レイヤーがあると良い時と不便な時があります。
作る人の自由ではありますが参考までに。。。
素材がレイヤーで分かれてると嬉しい
⚪︎吹き出しと中の文字
(吹き出しのみを使うことが多い)
⚪︎背景とメイン素材
(メイン素材のみを使うことが多い)
素材がレイヤーで分かれすぎていて困ったことがあった
⚪︎人物イラストのレイヤーが細かく分かれすぎていて扱いにくかった
(顔レイヤー、目のレイヤー、鼻のレイヤー、みたいな感じです)
ダウンロードした後、デザイナーが変更できる部分ではありますが、
背景に色があって、たくさんのメイン素材が置かれている場合、
レイヤーが1つだと、
必要なものだけ取り出すのが地味に面倒です。
なので扱いやすくなっていると嬉しいです。
結局ダウンロードする基準
気に入ったのにダウンロードしなかった
(理由)デザイン作業に困る致命的なことがあったから
⚪︎欲しい数や種類が足りない
⚪︎切り離してアレンジできない
⚪︎扱いにくい
ただ、それでもタッチがイメージに合う、他にピッタリなものがない
ならダウンロードしたりします。
気に入らないのにダウンロードした
(理由)仕事をスムーズに進めたいから
⚪︎必要な種類、数が揃っている
⚪︎そのまま使えてイラストを探したり、書き足しや加工の労力がかからない。
⚪︎とにかく急いでいる
こんなこともあります
そもそも無いと困る(ありそうでないものは狙い目かも)
〇〇のイラストなら、きっとあると思っていたのに
検索しても無い、望むタッチのが無い、これは意外と結構あります。
ありそうなのになかったりすることもあります。
逆に考えると
検索してみて、無いイラストなら
ライバルがいない。なので早めに描いてみるのも売れる1つの方法ではないかと思います。
まとめ
いろいろ困りごとを書きましたが、
ストックイラストで多くの種類のイラストが
ダウンロードできることで日々本当に助けられています。
最近は素材のクオリティも高くて、使いやすい作りになっていることがほとんどです。
これは私の個人的な感想なのでデザイナーでも
違う人もいると思いますのでご了承くださいませ。
ただデザイナーがストックイラストを使う時、
思っていることを発信することで、
作る側と使う側の隔たりが少しでも解消されればいいなと思っております。
»参考【ストックイラスト】徹底的デザイナー目線で物申します(こんなイラスト欲しい〜)